不倫慰謝料

浮気・不倫の証拠集めの安全な方法とは?2つの方法を解説します

「もしかして、パートナーが浮気してる?」

そう感じたとき、心の中は不安や怒りでいっぱいになりますよね。でも、泣き寝入りなんて絶対にしないでください。慰謝料をしっかりと受け取るためには、確実な証拠が必要になります。ですが、自分で証拠を集めるのは大変ですし、思わぬトラブルに巻き込まれてしまうリスクもあります。

では、一体どうすれば安全に、そして確実に不倫の証拠を手に入れられるのでしょうか。

この記事では、自分で証拠を集める方法と、プロの力を借りる方法、そしてそれぞれのメリットとデメリットについてわかりやすく解説していきます。

慰謝料請求に「必須」の証拠とは?

証拠がなければ慰謝料は取れない?

「もしかして浮気?」そう思ってしまったら、どうすればいいのか不安になりますよね。慰謝料を請求したいけれど、どうしたらいいのかわからない。そんな悩みを抱える人はとても多いです。感情的には許せない気持ちでいっぱいになりますが、ただ怒るだけでは前に進めません。なぜなら、慰謝料を法的に求めるには、必ず「証拠」が必要になるからです。

もしも、証拠がひとつもなければ、請求はおろか、話し合いをすることすら難しいでしょう。相手から「そんな事実はない」と言われてしまえば、そこで終わってしまいます。それどころか、もらえるはずの慰謝料の金額まで減ってしまう可能性があります。

だからこそ、最初にやるべきことは、確実な証拠をしっかりと集めることです。

不倫の証拠集め、何が必要?慰謝料請求で負けない証拠の種類とは?不倫の慰謝料請求には、証拠が絶対に必要です。でも、どんな証拠が有効なのか、どうやって集めたらいいのかわからない人が多いのではないでしょうか。この記事では、慰謝料請求で役立つ証拠をレベル別に分かりやすく解説します。安全に証拠を集める方法や、注意点もご紹介します。 ...

法律が求める「不貞行為」の証明とは

そもそも、法律ではどんな行為が「浮気」と見なされるのでしょうか?法律の世界では、浮気は「不貞行為」という言葉で表されます。これは、配偶者以外の誰かと性的な関係を持つことを意味します。キスや手をつなぐ、一緒に旅行に行く、といったことだけでは、残念ながら不貞行為とは認められません。

民法という法律の第709条710条では、不貞行為によって受けた心の傷(精神的な苦痛)に対するお金(慰謝料)を請求できると定められています。したがって、裁判などで慰謝料を請求するには、「性的な関係があった」と誰もが納得できる客観的な証拠が必要なのです。

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【証拠集めの方法その1】自力で証拠を集める

不倫の証拠を集める方法は、大きく分けて二つのやり方があります。一つは、自分で証拠を集める「自力での収集」です。もう一つは、探偵や弁護士といったプロの専門家に依頼するやり方です。

どちらの方法にも、メリットとデメリットがあります。あなたの状況に合わせて、どのやり方がベストなのか、しっかり考えてみましょう。

自力で収集する方法とそのメリット

証拠の種類収集方法
スマホやPCの履歴LINEやSNSのやり取り、写真、通話履歴のスクリーンショットを撮る。
録音不貞行為を認める会話を、ICレコーダーやスマートフォンの録音機能を使って録音する。
写真・動画配偶者と浮気相手が一緒にいるところを撮影する。
クレジットカード明細など利用明細やレシート、ホテルやレストランの領収書などを確認する。

自分で証拠を集める一番のメリットは、費用をかけずに済むことです。あとで詳しく解説しますが、探偵や弁護士に依頼すると、数十万円から数百万円と高額な費用がかかることがよくあります。しかし、自分で集めれば、そういった費用を最小限に抑えることができるでしょう。

また、相手にまだ、浮気に気づいてるとバレていないなら、慌てずに時間をかけて証拠を集められるのも大きな利点です。探偵や弁護士は期間を決めて動くことが多いため、長期戦になると費用がどんどん増える傾向にあります。

一方で、自分で動けば、相手が証拠を残すまでじっくりと様子を見られるので、時間をかけるほど証拠が見つかる可能性が高まる場合もあります。

自力での証拠集めには、法的なリスクも伴う可能性が……

証拠の種類リスク・注意点
スマホやPCの履歴プライバシー侵害・不正アクセス禁止法違反。無断での閲覧は法的なリスクがあります。
録音盗聴にあたる可能性も。脅迫など不当な方法で得た録音は証拠になりません。
写真・動画肖像権の侵害・住居侵入罪。違法な撮影は逆効果です。
クレジットカード明細などプライバシー侵害。明細だけでは弱い証拠ですが、他の証拠と組み合わせれば有効になります。

一方で、自力での証拠集めには、法的なリスクも伴う場合があることには注意が必要です。

配偶者のスマートフォンやSNSは、浮気のやり取りが残っていることが多いでしょう。だから、真っ先にチェックしたいと思うかもしれません。しかし、ここには大きな落とし穴があります。たとえ夫婦でも、相手に許可なくスマホやパソコンを見るのは、プライバシーの権利を侵害する行為にあたります。

また、相手のパスワードを勝手に予想してロックを解除したり、メールやSNSのIDとパスワードを不正に利用したりすると、不正アクセス禁止法という法律に違反する可能性があります。せっかく証拠を手に入れても、あなたが法律違反をしてしまっては、逆に訴えられてしまうかもしれません。だから、自力での証拠集めはとても慎重に行う必要があります。

しかし、違法な方法で集めた証拠は、たとえ事実であっても裁判で認めてもらえないことがあります。

たとえば、相手の家に勝手に入って盗撮をしたり、隠しマイクを仕掛けて盗聴したりすることは、住居侵入罪やプライバシー権の侵害になります。最悪の場合、慰謝料を請求するどころか、あなたが刑事罰を受けたり、逆に相手から慰謝料を請求されたりする危険性があるのです。

せっかく取得した証拠でも無意味になるのか?違法収集証拠について解説民事裁判の証拠ルールを解説!「自由心証主義」と、違法な方法で集められた証拠が使えなくなる「違法収集証拠排除法則」を、やさしい言葉で分かりやすく紹介します。実際の裁判例も挙げ、証拠の採用・不採用のポイントを解説。あなたの疑問を解決します。...

【証拠集めの方法その2】証拠集めのプロに依頼する

プロに頼むとどんな証拠が手に入る?

証拠の種類具体的な内容証拠としての強さ
調査報告書不倫相手と会った日時や場所、ホテルへの出入りの様子などをまとめた詳細な行動記録と写真。◎最強
動画ホテルへ入っていく様子や、親密な様子の動画。◎最強
接触の記録不倫相手の氏名、住所、連絡先など。○強い
身辺情報勤務先や既婚者かどうかの情報など。△弱い

自分で頑張って集めた証拠も、いざという時に力が足りないことがあります。たとえば、LINEのメッセージだけだと、それだけでは決定的な証拠にはなりにくいのが現実です。

そこで、プロに頼むと、裁判でも通用する強力な証拠をまとめてもらうことができます。

証拠集めをプロに依頼する場合、主に探偵弁護士がその役割を担います。

探偵は、浮気や不倫の証拠を集めることに特化したプロです。尾行張り込みなどを通して、裁判上で有効な証拠を集めてくれます。

一方、弁護士は法律の専門家です。弁護士の場合は、自分で情報を集めるということはあまりやりません。ですが、依頼者が集めた証拠が法的に有効かどうかの判断してくれます。また、探偵と協力して証拠集めのアドバイスをしたり、必要に応じて弁護士会照会という制度を使って情報収集をすることもあります。

証拠集めのプロに依頼することのメリットは?

証拠集めのプロに依頼することのメリットは何でしょうか?

それはまず、何より、一般人が自力で取るのが難しい直接証拠を取得してくれる可能性があることです。例えば、プロの探偵が作る「調査報告書」は、不貞行為があった日時や場所、ホテルへの出入りの様子が写真や動画とともに、時系列で詳細にまとめられています。

これは、裁判官も事実関係を判断しやすいため、「最強の証拠」とまで言われています。

そして、その証拠を基に、法律の専門家である弁護士に相談することが最も確実な道です。弁護士は、証拠が法的に有効か判断し、相手との交渉や裁判をすべて代行してくれるのです。

探偵は費用は高いのがネック?

ただ、探偵に頼むと、費用が高くつくという点はネックでしょう。

日本探偵業信用データバンクの記事によりますと、「浮気調査の相場は、1日5万〜20万円」とされています。ただ、数日間の調査を頼んだ場合、数十万円から、場合によっては数百万円になることも珍しくありません。

また、探偵費用については、トラブルに巻き込まれるケースも少なくありませんし、契約内容が不明瞭だったり、追加費用を請求されたりする事例も報告されています。(ダイヤモンドオンライン「「浮気調査」見積もり30万円のはずが、届いた請求書は140万円!“業界最安値”をうたう悪徳探偵業者の手口」)

そのため、契約前には複数の探偵事務所から見積もりを取り、料金体系をしっかり確認することが重要です。